東日本大震災により地盤沈下した土地、今後、大津波により建物建築が危険と

考えられる土地について、復興計画案に、国がその土地所有者から土地を借り上げて、

田畑や鮮魚の加工場に造ろうという構想が持ち上がっています。

 

国が借りる方法として検討されているのが一般定期借地権です。

具体的な提言としては、平成23年5月10日付日本経済新聞朝刊「経済教室」

が参考となります。 

 

今までの借地権では、貸した土地は地主にほぼ永久に返ってこないということから、

土地を貸す人がいなくなり、土地はぺんぺん草が生えるにまかされているのを何とか

しようと平成4年に新しくできた制度です。

 

一般定期借地権は、建物を建てることを目的に土地を貸し借りするル−ルを定めた

借地借家法第22条に規定されている借地権です。

 

従来からあった、普通借地権とは「約束した期限に必ず土地を地主に返さなければ

ならない」点が大きく異なります。

 

ただし次のことが契約書に定められていなければなりません。

 

1 存続期間 50年以上

2 契約は必ず書面で行うこと(公正証書契約がおすすめ)

3 特約事項 契約の更新がない、建物再築による期間の延長がない建物買取請求

       をしない  を記入しないと一般定期借地権とはならず、普通借地権と

       なります。

 

期間満了のとき、建物は原則撤去しなければなりませんが、地主が承諾すれば買い

取ってもらえることもあります。地主が拒否すると撤去しなければなりません。

 

一般定期借地権にすると貸主・借主ともにメリットがあります

 

まず借主のメリットは、借りるときの保証金(土地の時価の25〜30%が目安)と地代

を支払えば、50年以上その土地を借りつづけられる事ができ、普通借地権で見られる

地主の「正当事由」で立ち退かされる心配がないことです。

 

建物建築費を見込んでも、売買価格の60〜70%(目安)の費用で住宅、店舗や工場が、

取得できることになります。

 

住宅の場合、保証金、建築費を住宅ロ−ンで手当てすることもできます。

 

保証金に代わるものとして、前払い地代があります。

2005年から、地代の全額または一部を前払いした場合の税務取り扱いが見直され、

賃借人は前払い地代を費用計上することができるようになりました。

 

また前払い地代について、中途解約時などの際の返還請求権に質権をつけることを

条件に、住宅金融支援機構から融資が受けられることになっています。

 

地主が破産した場合、破産前に契約した債権は保護されます。(平成17年破産法改正)

つまり前払い地代に対応する期間中は、破産管財人に対し、地代が前払いされている

ことを理由に、破産手続き開始決定後も土地を使い続けられることになり、安心できます。 

 

一方、貸主のメリットは、賃貸期間中、無利息で受け入れた保証金(数百万円単位)を

運用できることです。ただし預かり金であるため次の問題がありました

 

期間満了時には全額を返還しなければならず資金手当てが大変です。

それだけでなく、期間中に相続が発生した場合、保証金全額が債務控除の対象とならず、

期間満了までの期間に応じた割引額となるため、節税メリットが少ない。

 

 平成17年に税務の取り扱いが変更され、次の条件を満たす地代の全額または一部の

前払い(一時金の授受)には、期間経過に応じた収益計上することができるようになりました。

 

 1 契約書に

   前払い地代の額と月払いの地代を明確に記載すること 

   契約満了時に借地権消滅の対価相当の金銭授受を行わない

   中途解約の場合は見経過期間の前払い地代は返還すること

   を盛り込むこと

 

2  その契約書を契約期間にわたって保管

 

3  取引の実態が契約書どおりのもであること

 

1区画につき数百万円単位の前払い時代が入れば、キャッシュフロ-(お金回り)が

よくなり、他でアパ-ト建築をする余裕も生まれてきます。

 

今後、資産に対する相続税・贈与税の増税は避けられないと思います。

これに対する対策は 種々ありますが、なんといっても土地評価を下げることです。

 

借地権とすることで、土地の評価は底地評価されます。

底地価格は、普通借地権の場合は相続税評価額の20から40%です。

定期借地権の場合は契約期間の残存年数により、相続税評価額の80〜95%程度

(当初60%程度になる地域もあり)になります。

 

固定資産税も住宅用地では、1区画200㎡以下の部分については半額になる

特例も受けられます

 

これらの税金の特例は、国民全体の財産である土地について、遊休地を少なくし、

有効活用させようとの国の政策によるものです。地域振興を図る被災地への有力な

支援ツ−ルと思われます 。

 

土地を小区画とすることにより、相続分割対策としても有効であると考えられます

 

定期借地権付きの分譲マンションや分譲住宅も、数は少ないのですが、積水ハウスなど

で供給されています

 

なお定期借地権には、一般定期借地権のほか、建物譲渡特約付借地権(契約30年

経過後の土地上の建物を地主が買い取る約束を含む定期借地権)、事業用借地権(10年

以上50年未満の期間、事業用建物建築に限定した定期借地権) もあります 。

 

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