安易な消費税還付は慎重に

 

   出来ることなら税金は納めたくないし、また支払った税金が取り戻せるなら取り戻したいと思うのが人情でしょう。

  二重帳簿など違法な手段で税金を納めないようにするのが「脱税」、所得の5%を超える医療費を支払った場合などに、超えた分を所得控除して支払った所得税から相当分を取り戻す「還付」、そして形式上は合法的に見えるが、経済的合理性を欠いた取引を行い、税法の盲点をついて税金を支払わない(取り戻す)「租税回避行為」があります。そして税法が想定している範囲内での取引を行いながら税金を節約する「節税」があります。

 相当の理由のある「還付」「節税」は税務署においても認められますが、脱税は刑事罰を含む罰則が待っており、租税回避は否認される結果、利子税・延滞税などを払うことになります。

  会計検査院は、国税庁に対し、2008年に消費税、約8億円が「租税回避行為」により還付されているとして是正策を求めました。

 アパ−トの家賃収入しかない場合、非課税の売上と税法上みなされますので消費税はかかりません。非課税の売上(アパ−トの家賃など)に対する仕入れにかかる消費税(アパ−トの建築費に対する消費税など(例 5千万円のアパートなら消費税は150万円)は取戻しができないとの税法の規定もあります。

 一方、商売をしていると売上が落ち込み、仕入れが過大となることも多くあります。そんな時には仕入れにかかった支払済みの消費税を「還付」しようとの税法の規定があります。(課税売上に対する消費税−支払い経費に対する消費税=納付すべき消費税) 

そこで、消費税の課税期間を3ヶ月程度の短期に設定したうえ、アパ−ト建築予定地に建築直前に自動販売機を設置します。「売上全体に占める課税売上の割合が95%以上でなければならない」95%ル−ルを適用して、少額の課税売上を意図的に作り、納めるべき消費税と支払済みの消費税との差額の還付を受けるといった「租税回避行為」が横行しているわけです。

 さらに、課税期間終了後のアパ−ト完成時に簡易課税事業者、または免税事業者を選択することにより、本則課税であれば必要な、課税売上が50%以上変動(アパ−ト家賃は消費税非課税です)したときに必要な「仕入れ税額控除の調整計算」をしなくても済むわけです。 今後、税務署のチェックは厳しくなることが予想されます。

インタ−ネットヤアパ−ト建築業者や一部税理士の解説書などで推奨されている、「アパ−ト建築費の消費税を取り戻そう」キャンペ−ンに安易に取り組むことは避けるべきでしょう。

消費税法の改正が行われ、2012年10月より、設立2年以内の新設事業者(法人、個人を含む)であっても、事業開始年度の前半半年で1000万円を超える課税売り上げがあれば消費税免税事業者とはしないこととなり、消費税納税義務が発生します。 
これは、特例的である免税制度を悪用して、2年ごとに設立、解散を繰り返し、消費税を免れる悪質な事業者が後を絶たないための措置です。年の前半に課税売上が偏るような事業者は決算期の変更も視野に入れた方が良いかもしれません
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